声で縛って
……バタン。
ドン!!!

ドアが閉まったと同時に両手が頭上に拘束され、背中に鈍い痛みが走る。


「いっ…たい」

文句の一つでも言ってやろうと顔を上げた途端

っー…

空いていた方の手で顎を掴まれ更に上を向かされる。
目の前には今にも触れそうな綺麗な顔にスーツ姿、やっぱりかっこいいな。

「他事考えるなんて随分余裕みたいだけど、言わなきゃいけないことあるよなあ?」

綺麗な顔に似合わずお腹にまで響く深い声。
それより息、かかる。こんな距離で喋らないで欲しい。弘人さんの声と息でクラクラしそう。

「お帰りなさい?会社、今帰った…」
「違うだろ」

間髪入れず返ってくる言葉。だから最後まで言わせて欲しい。

「…マスターから電話があった」

超不機嫌な声に身体が飛び跳ねた。
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