SD殺人事件
「みんなは大丈夫か?」
突然休憩所のドアが開いて店長と支配人と信くんが入ってきた。
「僕らは大丈夫です。でも、早く磯俣を病院に連れてったらんと助かるもんも助からんくなるんで…。」
太ちゃんが言うと、
「今から俺が連れて行くわ。マネージャー、後は頼むで。」
そう言い残して店長は磯俣をかついで休憩所から出て行った。
「早く警察呼びましょうよ!」
地ー坊が言うと、
「本社に知られたくないでな、警察を呼ぶのは後にしてくれるか。」
支配人が信じられない事を言った。
すかさず、「何考えてるんですか?人が殺されてるんですよ!」
地ー坊が言うと、
「警察はあとで呼ぶよ。犯人捕まえてから。」
信くんが恐る恐る話を割った。

「犯人捕まえるって…。」
「どういう事?」
地ー坊と生駒さんが同時に口を開き、と同時に高くんが俺の方をなぜか嬉しそうに目を見開いて見てきた。

「犯人はこの中にいるって事…?」
金谷がいつもより低めの声でボソっと言うと、
「たぶん。」
信くんが自信なさ気に答えた。
「この休憩室に従業員以外の人間が入ったらすぐにわかるやろ?磯俣のタバコに毒塗っとるでな。従業員以外にそんな事できる奴おらんはずや。やで、犯人がわかるまでみんなには悪いけど残ってもらうで。」
珍しく支配人が的を得た事を言い、皆が同時に全員の顔を見渡した。
誰一人声には出さなかったけど、その行動で「誰がやったん?」とみんなが思ったって事が示された。

犯人はこの中にいる…。
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