うさぎ と くま の物語 (完)
逃げるように篠田センパイに目を向けると、パチッと目が合った。
にこっと笑い返してくれる。
ドキッ!
ひえぇっ、心臓ヤバイ!
けど、嬉しいっ!
でも、それも束の間。
篠田センパイは、すぐに視線を梨乃センパイと佐崎センパイに向けてしまった。
―――ちぇ。
いつか、篠田センパイの笑顔を一人占めしたいな…なんて大きすぎる願いを持つ私。
私の願いが叶う可能性は何パーセントくらいあるのかな?…なんて思ったら、少し悲しくなった。
梨乃センパイ以上になれるとは…思えないから。