うさぎ と くま の物語 (完)
「もーーーう!やっと巻いたぁぁぁぁ!――っと、あら?お二人さん、やっと?」
「!!」
急に入ってきた梨乃センパイの声に、私の身体が跳び跳ねた。
そして、篠田センパイの手が私の頭の上から、パッと離れた。
梨乃センパイは、私と篠田センパイの二人を見比べながら、ニヤニヤとしてる。
……今の、誤解されてる…!?
梨乃センパイが口を開いて何かを言おうとしたその時、篠田センパイの声が先に聞こえてきた。
「―――梨乃、相変わらず、狙われてんな」
私のドキドキとは反対に、いつも通りの篠田センパイ。
…そ、そうだよね。
意識してるのは、私だけだよね…。