うさぎ と くま の物語 (完)
「いいと思うのになー…」
「私は…マネージャーとして応援できるだけで、十分ですから。今が楽しいですもん」
「うさぎ…」
「―――あっ、ほら!そろそろ時間ですよねっ!みんなのところに行きましょ!?」
「え、うさぎ…っ!?」
何か言いたそうな梨乃センパイの腕を掴んで、みんなが集まる場所に歩き出す。
―――そうだよ。
私は柔道部のみんなのために頑張る。
それだけでも楽しいし、幸せなことだよ。
今日からは大会も始まる。
大会に集中するお手伝いをしっかりしなきゃ。
私が今できることをやるんだ。
―――ほんの少しだけ欲張って。
マネージャーとしてで構わないから。
篠田センパイの近くにいれればいい…。
それだけで…。