うさぎ と くま の物語 (完)
*しゅくがかい
 

――――…


―――夢を見た。


篠田センパイと…手を繋いで二人で歩いている夢。


すごく温かくて、すごーく幸せだった。


幸せな気持ちで目が覚める。


まだ覚めきっていない頭の中で、ふと気付く。


あれ…?


……手が本当に温かい。


「……?」


ま、まっさか~…


そっと布団の中を覗くと…


そこには、モフモフとした毛玉。


愛猫のレオでした…。


「………ん?」


私は時計に目線を落とす。


「!!!ちっ、遅刻~っ!!!」


私の声に、レオがビクッと起き上がり、ベッドから床にトンッと降りた。


幸せなんて思ってる暇なんて、これっぽっちもない!


今日はしっかり準備しなきゃなのに、間に合わないよ~!


私は急ぎつつも念入りに準備して、家をバタバタと出た。

 
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