うさぎ と くま の物語 (完)
 

「―――――!」


ギャーーっ!


突然の佐崎センパイの行動に、私まで照れてしまって口元を両手で押さえた。


うそうそー!


大胆だ!!


二人の様子をついガン見してしまう。


「……ひっ、人いるところではやめてって…っ」


「!?」


梨乃センパイから飛び出してきた言葉に、さらに驚いた。


人がいるところでは………って…!?


「―――えっ、ちょっ!ふ、二人って…っ」


すっ、すでにお付き合いしてますか!?


見てるだけじゃ我慢できなくなって、つい口を出してしまった。


その私の声に、佐崎センパイはにこっと笑った。


――――ひゃぁ!


その途端、私の右腕にかかる力。


「ひゃっ!?」


「片岡、こっち。」


はるか上空から聞こえてきたのは紛れもなく。


篠田センパイの声だった。

 
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