冬の花



ふと美咲に視線を向けるとこっちを見て


ニヤリと笑う





「いいなぁー、ラブラブしてて

私も彼氏欲しいな♪」





くるんっと前を向いて鞄を


ブラブラと振りながら歩く美咲







「美咲、桜木くんが転入してきた日に

「好きな人できた。」って言ってたけど



その人に告白しないの?」







私の言葉に美咲は歩くの止め

俯き加減で呟いて




「もう、その人彼女いるから・・・。」





そして突然ばっと振り返り


美咲はじっと桜木くんを見て唇を噛む




次第に口元が緩み涙ぐんで

何かをぐっと堪えるように。








私はそんな美咲にドキットとした


< 162 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop