いちごみるくちょこ
心臓発作…―
彼方が退院してから一週間。

「永愛ー…夏だねぇ。」


「うん…暑い。」

夏休み一週間前っていう一番暑い時期。
「とくに永愛の周りが一番暑いよね―?」


「ごめん。亜美ちゃん…」


「いいの。永愛は悪くないしもう慣れた…」


「ほんとごめん」

暑苦しいわたしの周りと言うのは

「永愛―頭痛いから介護してぇ?」

後ろから抱きついてくる彼方、まずこれが暑苦しい。そして

『キャーッ!!うらやましぃ!!』

この声も暑い。
最後のトドメは

「永愛にさわんじゃねーよ。」


「関係ないじゃん?あ!もしかして焼いてる?」


「焼いてねーよ!」

この言い争い。


暑い。

「斎藤!!わたし達の教室くんな!!」
亜美ちゃんは相変わらず斎藤龍嫌い。

なんでこんなに斎藤龍のこと嫌いなんだろ?


「永愛!次体育じゃん!!早く着替えにいかないと!!」


「ほんとだ!彼方ちょっとどいて!」


「えーー…あ!俺も体育!」


「彼方は見学だよ?頭まだ治りきってないんでしょ?」


「一応OKもらってるから大丈夫だよ」


「本当?なら無理しないでね?」


そんな話をしてるわたしの横では…


「斎藤ヤバいんじゃない?戸田くんと永愛、2人ともいい感じだよー」


「…お前どっちの見方だよ」


「別に、どちらでもないわよ。アンタのことは個人的に嫌いなだけだから。永愛には好きな人と結ばれてほしいだけ。」

「あっそ…俺、次ふけるから」


「斎藤も不器用よね~…」

こんな会話してたなんて知らなかった
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