チョコレート
パチッとまた目が合う。彼はいつも通りチョコレートの笑顔を私にくれた。

甘い甘いチョコレート…何故だか分からないけど、胸がきゅんとした。

宮本先生はチョコレートの笑顔のまま、自分の耳を指差しながら、

「ここ」

声は出さずに、口の動きだけで私に伝える。

「ここ?」
私も自分の耳を触ってみる。熱がすぐに私の指に伝わった。

気付いた瞬間、顔が真っ赤になるのを感じた。

耳だけは、ずっと赤く熱を持っていた。
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