チョコレート
今日の授業中のことを思い出し、顔が赤くなるのを感じた。
光……なんて読むんだろう…ひかる…かな?

「みやもとひかる…」

思わず声が出た。

「お先に失礼しまーす!」他の女性講師の足音と異様なまでに明るい声に、私ははっとし急いで宮本先生の名札を列に戻し、足早に塾を後にした。

バタンッ勢いよくドアを飛び出し、階段を下りていく。
塾はビルの2階にあるので帰る時は階段を下りなくてはならない。
階段は狭く大人が1人通るのでいっぱいいっぱいの幅である。
私は玄関で聞こえた声の主と鉢合わせないように急いで階段を駆け降りた。
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