チョコレート
急いで外へ飛び出すと、そこには先に帰ったはずの宮本先生が立っていた。
彼は、私を見つけると煙草を片手に微笑みかけた。

「お疲れ様。君を待ってたんだ。話がしたくて…良かったら一緒に帰ろう」

きゅっと狭まった胸のせいで声が出なかった私は、頷くのが精一杯だった。

彼の方へ一歩一歩近づく。
すると私の後ろからも足音が聞こえて来た。

「あっ!!宮本先生ー!!一緒に帰りましょうよー!!」

玄関で聞いた声と同じ声が聞こえた。
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