チョコレート
胸が高鳴る。
顔だけじゃなく耳も赤くなってるはずだ。
苦しい。

だけど…

「あっ…あの…」

「どうした?」

「聞きたいこと…あります…」

やっとの思いでそこまで言うと、彼は俯く私の顔を覗き込むようにして、笑顔で言った。

「なんでも聞いて。」

「あの…えっと…塾のこととはあんまり関係ないっていうか…」

「うん。」

「私が個人的に知りたいっていうか…」

「うん。」

なかなか言葉が出てこない私を急かすことなく、彼は優しく笑顔で聞いてくれている。
< 22 / 28 >

この作品をシェア

pagetop