じっとして"
貴方が放った独言は、私に問う。

「キスしたこと、怒ってるのか?」

「避けてませんし
 怒ってもいません
 
 あれはただの遊び…」

「俺は、本気だ」

「そんな、よく言えますね
 秋には結婚する人が…」

「ああ、あれ?破棄した」

あっさり、貴方は言う。

「そんな、(ゴツン)、痛い」

「おいっ、大丈夫か?
 ほらっ、出てこいよ」

貴方は椅子をずらしてデスクの中を
覗き込む。

そして、私へと両手を差し出した。

「出て、おいで」
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