御曹司なんてお断りっ◆
今夜は誰と?
***
*****

「・・・何のつもりだ、この数値。
 前年比と比べても足りないじゃないか。
 ふざけるな。
 もう一度、2~3件別案を持って来い!」

俺の目の前で深々と頭を下げている男に書類を突き返す。
失礼しました!なんていいながら
恐縮しきった男はそのまま常務室を後にする。



「市川。例のホテルの買収の件。
 投資家のめどは?」

「はい。常務。 
 アメリカの・・・・・」


 
秘書の言葉に耳を傾けながら、

あの投資家なら、直接交渉が早い。
そんなことを言いながら
机に備え付けられている電話を操作する。


電話を待つ間にも、
別件の案件の書類に目を通す。


「市川。
 ココの仮物件の調査だ。
 この電話が終わったら出るから、
 車回しとけ。」

「--かしこまりました。」




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