御曹司なんてお断りっ◆
俺が無理やり、変更したり
言ったりするのを
クールな顔でわかりました。
といってやってのける武は
やっぱり優秀な秘書だと思う。
「はー。激務。」
車の中で俺はため息を吐いた。
「はい。
しかしながら、今夜の予定を空けろとおっしゃったのは
昴様ですから。」
そっけなく運転席から返事が聞こえる。
そりゃそうだけど、
文句の一つも言ってもいいだろ?
ま、俺以上に武が大変だろうが。
俺は、車にあるノートパソコンを立ち上げて、
受け取った書類に目を通す。
「無理を言ってすまないな。市川ーー」
「いえ。花京院常務。」
武は、わざと語尾を強めて言った。
「ちっ。ナイス嫌がらせだな。市川。」
俺は花京院常務と呼ばれるのは好きじゃない。
親族経営丸出しじゃん?
親の七光りで
仕事してるみたいでいやだ。
っていう
子供じみたささやかな抵抗なんだけどね。