御曹司なんてお断りっ◆
***

一応、眺めは綺麗な部屋だから志保も気に入ると思うけど・・・

なんてどうでもいいことを考えながら
エレベーターに二人乗り込む。

少し困ったような、無表情のような志保からは
何を考えているのかわからない…


部屋について、
玄関のドアを開けて「どうぞ」と招き寄せるが
すこし躊躇しているようだった。


「志保。どうぞ?」

もう一度優しく微笑んでから志保に手招きをする。

志保はゆっくりと足を踏み入れてから、
薄暗い部屋をくるりと見回す。

俺は、奥のリビングのカーテンをあける。


「わぁ・・・。すごい。」

「一応高層マンションですから。」


窓辺に駆け寄る志保をみて、
ただ会社に近いから決めたこの部屋にして
良かったとつくづく思った。


堅苦しいネクタイを緩めて
ソファーに投げつける。


そのまま、
志保の華奢な背中の方に歩み寄り、
ぎゅっと抱きしめる。



「きゃっ。あの・・・」

「ねぇ。志保。教えて・・
 俺のことーーーどう思ってるの?」

耳元でそっとささやく。

やべぇ。このまま押し倒したい・・・

そんな本能を抑えるので精一杯。
頼むから、誘うなよ・・・


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