御曹司なんてお断りっ◆

「えぇ?!もしかして、デート?」

「デートというより…
 ・・・・・・・ お詫びですね。」

「おわび?なにそれ?」

「まぁ、食事なんですがね。」


あははと、黒田課長は笑って
私の頭をなでる。


すこしごつごつした手が
結んださらりとした髪を
くしゃっとする。



「そっかぁ。田中、彼氏がいるんだ?」

「彼氏ではありません。
 ナンパされた人なんです。」

「え?マジで??」

「はい。
 それで、色々ありまして・・・・」



志保はふと、時計を見るともう6時を指していた。

「あ。黒田課長。
 お疲れ様でした。」

「あ・・・うん。
 じゃ、また明日ね~・・・・」





黒田は腑に落ちない顔をしながら志保を見送る。
「田中が、デート?
 ・・・・・・・・」



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