御曹司なんてお断りっ◆
*****

********
**********

「ねぇ、志保。
 敬語じゃなくてため口で話してよ~」

「え?なぜ?」


「志保との距離を縮めたいから」

「別に、縮めなくても結構ですが?」


「あははは。」



運転中、俺は楽しかった。

ストレートに物を言う志保が新鮮で
このやり取りが実にうれしかった。




「昴さん。どちらに向かっているんですか?」

「ホテルグラニソーゾ。」

老舗のホテルで
そこのディナーはなかなか美味しいし、
雰囲気もいいし。

ま。そこが一番デートでは無難かな。




「ねぇ、昴さん。
 私、普段着なんですが?」

「え?かわいいけど?」

「そういうんじゃなくてっ!!!」

志保は、グレーのパンツに、明るめのブラウス。

シンプルだがあまり着飾らない志保によく似合っている。




何が不満だ?


もしかして、
フレンチきらいか?



「アレルギー??」

すると、
助手席の志保は盛大なため息とともに、
軽く首を振った。


 
< 50 / 305 >

この作品をシェア

pagetop