御曹司なんてお断りっ◆


初対面が
ナンパだったので

あまり意識はしてなかったけどーーー

かなりの『いい男』だと思う。



すらりとした手足に、
明るい柔らかそうな髪の毛。
人懐っこそうな笑顔。

立っているだけで
女性をひきつける魅力っていうか、
色気っていうか、

人を引き付けるオーラみたいなの出しているかも。

ニコリと笑った昴さんを前に、
思わず本音が出てしまった。


「でもっーーーー

 いかにも、高級車っていうので
 人の会社に乗り付けるのはどうかと思います。」

「えー?どうしたの急に?

 そんな事言われてもーーー 俺の車だし。」



けっこう女の子ウケいいんだけどなぁ。とつぶやきながら、
昴は、助手席のドアを開いた。

「まぁ、そんなコトいわず、
 どうぞ。 志保」


「・・・」

呼び捨てですか。

こういった、距離感の縮め具合とか
本当に、『慣れているなぁ』って感心しちゃう。


こんな、会社の入り口で言い合ってても仕方が無いので、
進められるがまま、乗り込んだ。

シートが
ふわりと私を包んだ。

うーん。さすがいい車。
乗り心地良いわね。





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