記憶のない少女
突然友達が何かを思い立ったように答えてきた。
「そういえば、新学期なのに彼氏と登校してなかったぽいね?」
あ・・・それは彼が・・・。
「・・・・・・・・・。」
こんなとこで友達に
彼は昏睡状態で学校に来れません。
なんて言えるわけがない・・・。
「ん?梛?どした?」
うつむいた私の顔を覗き込む友達。
「あ・・・ううん。なんでもない!」
私はごまかすように笑顔を向け
指定された教室へ入った。