鈴姫
香蘭たちが部屋を去り、宝焔は舌うちをしてその方向を睨みつけた。
追っていこうにも秋蛍とハルが憂焔の相手をしながら邪魔をしてくるために追うことができない。
かと言って、秋蛍は殺す気はないらしく足止め程度の攻撃ばかり繰り出してくる。
「そんなことをしないでも、さっさとそいつを殺して僕を捉えればいいじゃないか」
舐められていることに不快感を感じて秋蛍を睨みつけると、秋蛍は涼しい顔で憂焔の刃をよけながらちらりと宝焔の方を見た。
「お前はまた俺に殺させて、昭遊の恨みを増幅させようって魂胆なんだろうがそうはいかない。俺は手加減ができるからな」
「なんだとこの野郎!」
それを聞いた憂焔は憤慨して、今度は自分の意思なのか真っ直ぐ剣先を秋蛍に向けた。
攻撃の意思のある動きに関しては、操られることはないらしい。
「ちょうどいい。お前とは一回戦りあっときたかったんだ」
「俺に勝てる気でいるのか?」
「当たり前だ!」