鈴姫
ふふんと笑った秋蛍に、憂焔は地団駄を踏んで怒っている。
宝焔はこの隙に出て行こうとしたが、突然眩い光線が宝焔の足元に射し、床が黒く焼け焦げた。
光が射してきた方に目を向けると、銀髪の少女が胸を張って宝焔を指さした。
「逃がさないよ。あたしは全ての鏡を支配する者。人を焼き殺す程度の光なんていろんな場所から集められるのよ」
「く……」
ハルは宝焔目がけて光線を幾度も浴びせかけ、宝焔は目を焼かれそうになりながらもなんとかハルの攻撃を躱していた。
右腕を失っているせいかまともな攻撃が出せないらしく、避けるに徹している宝焔を秋蛍は横目でちらりと見ると、憂焔と目をあわせた。
「あちらはしばらく邪魔して来ないようだ。思う存分やるがいい」
「心配しなくても、一突きでやってやるよ」
秋蛍と憂焔は向かい合い、憂焔は迷うことなく秋蛍の胸に狙いを定めた。
秋蛍は黙って憂焔を見ていて、いつ仕掛けてくるか見極めているかのようだった。
手にした剣が煌めき、憂焔が床を蹴った。