鈴姫
秋蛍はまた香蘭の腕を掴み、ぐいと前に引っ張って自分の横に立たせた。
わけがわからず秋蛍を見上げると、秋蛍は華京に跪いた。
香蘭は驚いたが、華京はそれ以上に驚いているようだった。
「どうしたのだ秋蛍、やめてくれ」
華京の訴えも聞かず、秋蛍は跪いたまま顔を上げなかった。
「我等は宮から出ます。どうか許可を」
それを聞いた華京は首を横に振った。
「何を考えている!ここにいれば皆で守れる。どうして宮をでるのじゃ!」
「巫女がここにいると知った以上、敵がここを狙ってくるのは確実です。巫女を手にしている鏡国をそう簡単に攻め落とすことはできないと思っているでしょう。
まずは巫女を奪い、それから鏡を落としにかかるはずです。ここにいては万が一巫女を奪われた場合、すぐに総勢力でかかってくるかもしれません」
「負けはしない。巫女も守りきる」
「あなたは一国を背負っている王女です」
ここで秋蛍は顔を上げ、諭すような口ぶりと表情で、秋蛍は華京に訴えた。
華京ははっとしたように動きをとめた。