†SweetBlood†
「…失礼致します。」

きちんと声をかけた後にノブが回る。
現れたのは、クラシックな丈の長いメイド服と白いエプロンに身を包んだ少女。

扉を最後まできっちり閉めた後、こちらに向き直り手を揃え滑らかな動きで一礼する。
その拍子に、綺麗に巻かれたブロンドの髪が一房肩口から滑り落ちたが、其れすらも予定調和といった風情で少女は面をあげた。


長い睫毛に縁取られた瞳はエメラルド。
ふっくらとした頬は薔薇色に染まり、軽く笑みをはいた唇は艶やかに。

極上のビスクドールが生命を与えられたかのような美少女にゆうは声もなく魅入ってしまう。
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