意地悪LOVER
『えー…ここで主人公の気持ちを考えてみるとだなー…』
授業中。
ボーっとただ窓から外を眺める。
何で玲皇なんだろ…。
そればっかり頭の中で俺に問いかけてくる。
そして俺はどうしてひかりを好きなんだろ…。
もういっぱいいろんなことが俺に問いかけてきて、俺はその答えを見つけることが出来ない。
「マネージャー志望か…」
もちろん、佐々木がマネージャーになったらひかりの仕事は少しでも軽くなると思うし。
それに、ひかりも男ばっかりのクラブで絶対つまらない思いをしてたはず。
佐々木が入れば、少しは楽しくなるんじゃないか…?
やっぱり佐々木には…入ってもらうべきなのかもしれない…。
なんて綺麗ごと並べてるけど、本当の理由は別にあるんだ。
確か佐々木は俺の一個下。
あんなけ可愛いんだ、あの玲皇がほっとくハズがない。
もし佐々木が部活に入れば…、もちろん玲皇と仲良く話すに違いない。
すると、自然とひかりとも話さなくなる。
そしたら…俺とひかりの話す機会が増える!
…はは。なんて都合の良い考えなんだ。
そんなことあるはずなのに。
だって、玲皇とひかりは付き合ってるんだ。
ちょっとやそっとのことで離れたりするわけないか。
俺は窓に向かって大きなため息をひとつ、零した。