パラサイト ラブ
だけどこのまま何も言わなかったら、朝乃の心がバランスを崩して、また発作が起きるかもしれない。
何をどう言えば、朝乃を納得させられる―――?
そう、頭を悩ませていると…
「……無理だよね、そんなの」
助手席からぽつりと、そんな言葉が聞こえた。
「ハナさん、みんなにすごく必要とされてるみたいだったもんね」
朝乃の声は不自然に穏やかで、他人事のようにどこか投げやりだ。
「朝乃………?」
ついさっきまで感情をあらわにして泣いていた彼女とは、まるで別人のよう。
何かが、おかしいと思った。
朝乃は一体……
何を言おうとしている――――?
「……邪魔なのは、私の方かもしれないね」