パラサイト ラブ
結局、私は牛丼をご馳走になるばかりか、シャワーまで借りることになってしまった。
できるだけ短い時間で済ませて部屋に戻ると、私の姿を見るなり彼は恐い顔になった。
「タオルもう一枚置いておいたろ。もっとちゃんと髪拭いてから出てこいよ、風邪ひくぞ」
「……自然に乾きます」
「駄目。ほらここ座れ」
強引に布団の上に座らされ、棚から新しいタオルを出した彼に後ろから髪を拭かれた。
「あの、自分でできます!」
「いいから大人しくしてろって」
……どこまで世話焼きなんだろう、この人。
そう思ったけれど不思議と不快ではなかった。ごしごしと頭を拭かれていると、心地良くて眠たくなる。
「よし、オッケー」
彼にそう言われて自由になった頭に手で触れてみる。
……ばさばさだ。
「あの……櫛(クシ)かなにかありますか?」
私が尋ねると、彼は目を丸くしてこう言った。
「食事はあんなに拒んでたくせに、見た目のこととなるとちゃんと頼めるんだな」
私は顔を赤くした。
野宿することを厭わない女が、髪をとかしたいだなんて全くおかしな要求だ…矛盾してる。