パラサイト ラブ

「やっぱり、いいです……」


私はそう言ってうつむき、手櫛で髪を整えた。

するとぷっと笑う声が聞こえて、顔を上げると彼が笑いながら私を見ていた。


「…ほんとに変な奴だな、あんた。名前…朝乃だっけ?」

「…はい」


変な奴というのは心外だけれど、櫛の件は自分でも確かに失敗したと思ったから私は特に異論を唱えず頷いた。


「そういや俺は名乗ってなかった気がするな。…上条太一(カミジョウタイチ)だ」


「上条、さん」


「太一でいいって。つーか年は?」


「二十五、です」


「二個上かよ!?全く見えねぇな……」


なんだか一人で盛り上がっているけど、明日になったら私はもう出て行くのだから名前とか年とかどうでもいいことじゃないかな……

口には出さないけど、私はそんな冷めた思いで太一さんを見ていた。


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