パラサイト ラブ
彼の瞳をじっと見つめていると、太一さんは諦めたようにため息をつき、私の体の上からゆっくり退いた。
「……俺って、芝居下手?」
布団の脇で胡坐をかき、太一さんがうなだれる。
「下手……ですね」
「そこ断言かよ、超ショック……」
ますます肩を落とす彼の姿がおかしくて、私は思わずクスリと笑った。
「――――あ、笑った」
「え……?」
「朝乃、俺の前で初めて笑った。今まで仏頂面してるか、泣いてるか、寝てるかだったから」
私は急に恥ずかしくなって、うつむく。
そう言えば、彼とは初対面だというのに寝顔や泣き顔を見られてしまったんだっけ。
「おお、その照れた顔もいいな。すげぇ可愛い」
「かっ……からかわないで下さい!」
そう言って拳を振り上げた私だけど、その腕は太一さんに掴まれてしまって、攻撃は叶わなかった。
「からかってねぇよ、本音。だけどさ、朝乃……」
豆電球の明かりの中で、彼の眼差しが強くなった。
そこから放たれているのは、出会ってからずっと感じる彼の強い正義感……