パラサイト ラブ
私は何も言えなくて、ただ体を硬くして成り行きを見守ることしかできなかった。
「朝乃……」
唇を重ねられた瞬間、鳥肌が立ち涙が溢れた。
いや……
やめて……触らないで!
太一さんの時とは違う。英は本気だ。
「朝乃……好きだ……」
手が服の中に入ってきて、たちまちブラをたくしあげられてしまう。
身を捩って逃れようとしてもそれが逆に彼の興奮を誘ってしまうらしく、胸元に当たる英の吐息がさらに熱を帯びた。
昔の私は……男の人なら誰でもよかった。
セックス=心を満たしてくれるもの、そんな等式が成り立っていたから、たとえ強引な行為でも受け入れることができた。
だけど……今私は、英の手に、唇に、太股に押し当てられている彼の熱に、嫌悪感しか沸いてこない。
「いや、やめて、お願い――――」
段々息が苦しくなってきて、あの発作だと気付いたけれど英はやめてくれない。
「はぁ、はぁ、龍ちゃ……ん、たすけ……て……っ」
“助けて”の言葉に反応したのか、英はやっと私の状態に気が付いて身体の上から退いた。