パラサイト ラブ
「……あのとき、手放すんじゃなかった」
英は私に背を向け、そして消え入りそうな声で呟いた。
「……帰れよ」
その背中に、なんて言葉をかけたらいいのか解らなかった。
ありがとう…でもないし、ごめんね、も違う。
私は黙ってベッドから抜け出ると、音をたてないように英の脇を通り過ぎた。
その瞬間、彼がこう呟く声が聞こえた。
「依存してたのは、俺の方だったのかもな―――…」
私は振り返らず、英の元を去った。
私も、英に依存してたよ。そして、龍ちゃんにも。
だけど……今ならもっと違う関係を築けるような気がするの。
もし龍ちゃんがまだ私を見限ってないならば、もう一度やり直したい。
一緒に、幸せになりたい―――…