私の宝(15歳で母)
「ほら、俺が行ったらついたやん」

自信満々に言う武に、

「うるさい!はよ行こ」

ふて腐れて先々歩いて行く私。

ふん。
どうせ聖は方向音痴やもん。

よく友達と行ったカラオケだから、何度も来たことがあるのに迷子になってしまう自分に苛立つ。

「何時間歌う?」

先々行く私の後ろで笑いながら来る武と一緒にカラオケに入った。

「んー、2時間位でいいんちゃう」

二人だけやしな。

「ん、」

武は、私に返事をした後定員に「2時間で」と伝える。

「ドリンクは何になさいますか?」
「ドリンクバーで」

武と店員の遣り取りを武の隣で聞いている私。

「かしこまりしました。
お部屋は、右の10番になります」

マイクや灰皿を入れたカゴを用意した店員は武に差し出す。

「はい」

定員からカゴをを受け取った武は、私の顔を見て、

「行くで」

と言ってドリンクバーがある方向へ歩き出す。

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