私の宝(15歳で母)
トイレのドアを開けると、そこには誰一人おらず私だけだった。

よかった、誰もいない。

誰かに私の姿を見られたとしても、状況を悟られる事はないだろう。

だが、誰もいない空間で落ち着いて検査薬を出来る事に安心した。

いつもは何も気にせず用を済ましているはずなのに、こんなにも緊張をしながらするのは産まれて此の方初めて。

妊娠している気はするが、結果を見るまではわからない。

もしかしたら、妊娠していると思ったのは私の気のせいの可能性だってある。

陽性でありますように。

心で強く願いながら検査薬をする私。

そう、私はいつの間にか、まだいるのかもわからない赤ちゃんに会いたいと思っていたんだ。

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