午前0時、夜空の下で
「!? アシャン……? びっくりさせないでよ」

ごめんごめんと言いながら、彼女――アシャンはそっと心の隣に歩み寄る。

「ミスティアから聞いたのよ。ココ、具合が悪いんだって?心配して来てみれば……恋煩いってワケか」

言い終えると同時に吹き出し、肩を震わせた。

アシャンは笑い上戸なのだ。

特に美人というわけではないものの、笑顔には愛嬌があり、スタイルも抜群なので、ついている客は多い。

姐御肌で気立てもよく、黎明館一の古株の蝶で、ココたちを纏め上げている。

「……ちょっと、笑いすぎ」

口を尖らせ呟いた心の姿に、アシャンはまた吹き出しそうになる。

気を落ち着かせるように深呼吸すると、彼女はようやく心と目を合わせた。
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