午前0時、夜空の下で
「だって、あまりにも乙女だからさぁ。魔族ではそういう性質の子、珍しいもん。一人でブツブツ文句言ってるし。ってかその内容、ノロケだし」

「……惚気てないよ。結局、私一人で空回ってたんだから」

唇を噛み締めた心を見て、アシャンはクスッと笑った。

「アンタ、さっきノーラたちにこの国の文化を教わったんでしょ?十分愛されてるじゃないの」

「どこが……。好きとか、甘い言葉なんて囁かれたことすらないよ?」

「そんな陳腐で在り来たりな言葉より、もっと深い愛を貰ってるじゃないの。……思うように動けとか、好きなように動けとか……結婚前にそんな自由な言葉、男から送られると思う?」

ハッと心は目を見開く。

言われてみれば確かにそうだ。
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