午前0時、夜空の下で
「いい加減にしなさい」

心たちが見守る中、アシャンは眉間にしわを寄せ、ミスティアに目を向けた。

「アンタの気持ちもわかるわ、ミスティア。でも、カルヴァローネ伯爵にだって事情があるんだから、仕方ないでしょう? アンタは蝶なのよ。子供みたいな真似はやめなさい。あの方は、黎明館にとって大切なお客様。わかるでしょう?」

アシャンの厳しい表情に、ミスティアは軽く不貞腐れた。

「わかっとる、けど……」

その表情は、やっぱり納得いかない様で。

「あの男、アタシが何で怒ってるのかすらわかってへんねん!!」

魂の叫びを、聞いた気がした。

そんなミスティアに、ノーラが遠慮がちに声を掛ける。

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