午前0時、夜空の下で
ノーラが琅国皇子の命令で黎明館にいることは極秘なのだから、その怒りも当然と言えるだろう。

万が一、少女が心以外の部屋に入ってしまっていたら、他の守護人に捕まっていたかもしれないのだ。

「とりあえず、この部屋に魔力で結界を張ったから、誰も入ってこないし、声も漏れない。
話があるならさっさと済ませろ」

キシナの忌々しげな声音に、少女だけでなくノーラもビクッと身体を震わせた。

あんたの守護人って怖くない?と視線で訴えてくるノーラに苦い笑みを返して、心は退室しようと腰を上げたが、その前に少女が話し始めてしまう。

「じ、実は先程、陛下から文が届いたんですが……その、レイン様に至急琅へ戻るようにと書かれてて、」

それを耳にした瞬間、ノーラと心は一気に青褪める。

「嘘でしょ!?」

「え、じゃあカルヴァローネ伯爵は、もう黎国にいないの!?」

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