午前0時、夜空の下で
仕事熱心な男性に心も気まずくなり、目を逸らして頭を下げると、すぐノーラたちのもとへ駆け寄った。

「もう昼かぁ。どうする? このまま城に行く?」

三人で国査所を出ると、ノーラが心たちを振り返った。

真昼は、魔界では人間界の真夜中にあたる。

琅の城も見張りの兵士などは起きているだろうが、寝ている者が大半を占めるだろう。

「アタシ、琅の歓楽街に行ってみたいんやけど。たまには敵情視察も必要やし?」

城で働く魔族たちを気遣ったミスティアが、周りを見渡しながらそう答えた。

もしかしたら、カルヴァローネ伯爵に逢うのが怖くなったのかもしれない。

それほどに、ミスティアは落ち着きなく視線を彷徨わせながらも、気丈に振る舞おうと笑顔を浮かべていた。

ノーラもそんなミスティアに気づいたようだが、特に口には出さず、ただ頷く。

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