午前0時、夜空の下で
興奮する少女たちを尻目に考えていると、メイジーが終わりましたわと言って心の腕をとった。

シリアが無言で鏡を用意する。

「――っ、」

思わず息を呑んでしまうほど、目の前には素晴らしい変身を遂げた心が立っていた。

その姿は、まるで物語に出てくる西洋の姫君のよう。

ドレスは薄い緑色で落ち着いた意匠だが、よくよく見ると細やかな刺繍が入っていて、全体的に上品な雰囲気を醸し出している。

所々にあしらわれたレースが可愛らしい。

高い位置で纏められた髪は何度も梳られ、香油で艶を出すと緩く巻いて肩へと流されていた。

癖の強い髪がよくここまで仕上がったものだと、心は感嘆の溜息を零した。

そして宝石自体は小さめの石が多いものの、繊細な意匠をこらした装飾品は、ドレスの雰囲気に合っている。

その落ち着いた雰囲気が、幼く見られがちな心を十分大人に見せていた。

少女たちが笑顔で見守るなか、心が改めて溜息を零していると、再び扉を叩く音に気づいた。
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