午前0時、夜空の下で
カザリナの罠にかかった時点で、いつ殺されてもおかしくない状況だったから、今更ではないだろうか。

その上家族などと言われ、心は思わず首を傾げる。

この世界に家族なんていない。

近い存在で言えば、妃月か、黎明館の仲間たちか。

「立場的には、まったくと言っていいほど問題ないかな……。私がウィーザーと一緒にいるからって、立場がどうこうなるとは思えないんだよね」

心がそう呟くと、ちょっと周りが静まり返る。

心の声が届かない場所にいた者たちも、徐々に声が小さくなり、最後には沈黙がその場を支配した。

「……え、何で黙るの?」

異国の料理を物珍しそうに味わっていた心は、周囲の変化に気づき、戸惑いの表情を浮かべる。

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