午前0時、夜空の下で
「軍神の名は飾りモンじゃねぇってことか」

口端を上げニヤリと笑ってみせるが、彼の額からは静かに汗が流れ落ちる。

得も言われぬ緊張感と疲労した身体が、彼の気力を奪ってゆく。

眉をしかめ、とうとうリーダーの身体が大きく揺れそうになった時――それは、起こった。

「やめてっ!」

甲高い声と、黒い影。

カミュへと飛び掛かっていったそれは、カミュに斬られるより先に、いち早く反応した騎士によって斬り伏せられた。

ぱっと血飛沫が散る。

まるで花弁のように。

一瞬、黒と見間違えてしまうほどの、赤だ。

残酷なまでに冷たい――赤。

それを目にした途端、リーダーは愕然とし、声もなくそっとその名を呼んだ。

……ミルフィーユ、と。
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