午前0時、夜空の下で
納得できないと言わんばかりに顔を歪め、瞳から涙を流しながら、ミスティアはもう何も言わなかった。

レインが明言してしまった以上、その言葉を覆させようという考えが浮かばなかったのだ。

ただただ悲しげに涙を落とすミスティアに、心は思わず駆け寄り抱き締めた。

「ミスティア、約束する」

「……」

「犠牲になんかならない」

「……」

「私は自分から望んで黎に行くの」

「……」

「絶対、幸せになってやる」

「……」

「だから応援してくれると嬉しい」

「……」

「ところでまだ言ってなかったことがあるんだけど」

「……」

ミスティアの耳元に唇を寄せ、誰にも聞こえないように心は小さく囁いた。

――私、魔王陛下が好きなんだ。

「……は?」

ようやく涙を止めたミスティアに、心は悪戯な笑みを浮かべた。
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