午前0時、夜空の下で
「白満ちる世界で、偶然ながら言葉を交わす機会をいただきました。覚えていらっしゃいますか」

首を傾げていた心は、やがてハッとしたように顔を上げる。

白満ちる世界と言われて、思いつくものは限られている。

夢の中の出来事だ。

「もしかして、あの黒い“何か”は、」

「私です。主に声が届いているとも知らず、不快な思いをさせてしまったようで申し訳ありません。主の中で眠っておられたリーヴル様に呼びかけていたのですが」

「……それは、どういうことですか。リーヴル様は初代王妃様のことですよね?
それに主って……」

困惑した様子の心に、カルマは深々と頭を下げた。

「我らが知っていることすべて、お話いたします」





カルマの口から語られたのは、長い時の流れによって歪められた昔話だった。
< 443 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop