午前0時、夜空の下で
「アルジェンさん、ごめんなさいっ!もうちょっとで終わりますから」

「はぁ……」

出ていけと言わんばかりに厨房から弾き出されたアルジェンに、すれ違う兵士たちが小さく笑いを漏らす。

「お待たせしましたー! ……アルジェンさん、お疲れですか?」

お茶にしましょう、と笑顔で厨房に戻ろうとする心を、アルジェンは慌てて引き止めた。

「ココロ様! 女官に命令なさって下さい。あなたがそのようなことをなさる必要はありません」

アルジェンの言葉に、心は顔をしかめる。

「どうしてですか?偉いのは私ではなく、妃月さまでしょう?」

ヒヅキ、という響きに、アルジェンを含む周囲の者が息を呑んだことに気づかず、心は真っ直ぐアルジェンを見つめた。
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