君がいた夏


次の日の昼休み
私は先輩の教室に足を向ける

「っ」

すぐに女の先輩と話してる優陽先輩を見つける。

「あれ、菜穂ちゃん?」

先輩も私に気づき
私に手をふり近づいてくる。

「優陽?だれ、その子?」
「んー?」

先輩はその質問に曖昧に返事をして私のもとによる。

「先輩、話したいことがあります」
「いいよ・・・ここじゃアレだし、屋上行こうか」
「はい」

先輩は全てをわかりきったようにうなずく。


屋上のドアを開けると
風が私の髪を持ち上げる

「っ」

先輩も同じように
髪が後ろに舞い上がる

「で、話って?」

唐突に話を振りだす先輩
私は手を握る

「っ・・・・えっと・・・」

小さく息を吸って
フェンスに寄りかかる先輩を見つめる

「どうして・・・・・・どうして、夏休みにいなくなったの?先輩に何があったのか知りたい・・・・」

一度言い出したら
止まらなかった

だけど
そんな私とは反対に先輩は
冷たい目を私に向けていた

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