男勝り少女と俺様男子
よ、よろしくー。
んで…!
この親切なにぃちゃん…?に案内して貰っているわけだけど。
無言。
え、なにこれ。
新種のイジメ?
私、転校生ですよー。
転校生には優しくしましょうよー。
…気まずい。
「…おい。お前、名前くらい教えろよ。」
「わぁ!(話し掛けられた!エスパーかコイツ!)ぉお分かった…。」
びっくりした。いきなり話しかけるんだもんなー。
「えぇーと、冷水ユキ。今年で17歳の高校二年生。。一応女です。よろしく。」
自分の自己紹介の時に女です。と言うのはもう完璧癖になっていた。
てか、思ったんだけどこの人何歳?年上だったらどうしよう。イケメンさんって大人っぽく見えるよね~
思いっきりタメで話しちゃったよ…。
……ま、いっかー。
「俺は武藤 苑(ムトウ エン)。お前と同い年だ。…お前、本当に女か?」
おー。同い年かぁー。
良かった良かったー。
思いっきしタメ使っちゃったからねー
……あれ?
りっすん きゃーふりー。
お前、本当に女か?
「………女だよ!!失礼な奴だな!さっきもわざわざ一応女です。って言ったろ?」
武藤苑(コイツ)失礼な奴だな!
その綺麗なお顔をキッと睨みつけてやった。親切だと思ったのにさ!
地雷踏んだぞー?
「確かにちょっと男っぽいかもしれないけど?性別をいわれといて聞き返すなんて失礼じゃねぇか?」
……なんだ?言ってやったと思ったのに少し目を見開いてびっくりしたような顔をしたが新しいオモチャでも見つけたかのように楽しそうにニッと口角を上げてこちらを見てきた。
ちょ、ちょっとちょっと近い。近い。
私は女子にしては少し高めの168センチだけど、コイツは遥かその上をいって、目をジッと獲物を逃がさないと言わんばかりの鋭い目で見つめられ目を離したくても離せなくなってしまった。