Never Magic
「さぁくぅ〜真面目にやってんのかぁ」

「ううん」

さっくりと言い切る朔に、神楽は怒りがMAX。

「フザケんなぁ!!」

神楽は持っている長い棒で、朔を叩こうとする。
瞬間、朔は転んだ。
いや、転んだ様に見せかけた。
そして、神楽の振るった棒に右肩から真に受けた。

「っ……」

「なっ……」

神楽はビックリした表情になっていた。
朔は苦痛に顔を歪めていた。

「いったぁーい。ゆっきぃ〜!」

朔は僕に泣きついてきた。
神楽は呆然と突っ立っている。
そして数秒後、口を開いた。

「さ…く……お前っ、ワザと」

神楽は分かっていたみたいだった。
怒りで棒を持つ手が震えている。

「あれ?バレちゃった??」

「分かるんだよ。長年戦いしてると」

「そっか」

「…あーぁ、やる気なくしちまった!じゃ、またな、朔」

「うん」

「…怪我、負わせて悪かった」

「良いよぉ〜、僕を倒す為でしょ?これくらいで謝らないの〜」

「…………」

神楽は振り向かずに歩きだした。
朔はその姿が消えるまで見ていた。
そして、姿が見えなくなると、

「さぁ〜、店長お勧めの店を目指して行くよー、ゆっきー!」

笑顔で言う。

「うん…」
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