Never Magic
呪い?!





朝、目を覚ましたら天井に不気味な顔の形をした呪い人形が目の前にあった。

「驚いた?」

朔が人形を退かして覗いてきた。
全く、朝から何とも嫌な気分だろうか。
と、言うかこの人形はなんだろうか。

「この人形はねぇ〜、呪いの人形なんだよー」

朔は人形の両手を持って部屋の中を人形と一緒に回っている。
一瞬だけ目を回してよろ付いた。
その弾みで人形を手放し、壁に当たって、床に落ちた瞬間に腕が契れた。

「…っ」

「あらら…」

朔は固まってしまっている。
僕は人形の腕を拾う。

「どうするの…ぁ、接着剤で何とかなるかもよ」

そう言うと朔は急いで杖を取り出した。
そして呪文を唱えた。
床に魔陣を作り、接着剤を召喚(?)した。
そしてそれで人形の腕をくっつけた。

「どうしよ…呪いがっ……」

朔は腕をくっつけながらそんな事を呟いていた。きっと、呪い人形を壊したから呪われると思っているのだろう。
人間界の物なんだから、魔力がないはず。
だから呪いなんてないと思うんだけどなぁ。

「ゆっきー…」

朔は悲しげな顔をコチラに向けたと思ったら、いきなり歩み寄って来て、両手を掴んだ。
そして一言。

「さようなら…」
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