Never Magic
いきなりの別れを告げる朔。
大げさに考えたんだ。
呪いで死にまで至ると思いこんでしまったらしい。
僕は逆に朔の手を離し、言う。

「たかが人形だよ。それに人間界の物だし」

「ゆっきーは分かってない…」

「何を?」

「人間界の物とはいえ、呪いは呪い。きっと人間界にも呪いがあるんだっ!」

何処からその根拠が湧いてくるのか、不思議だ。

「大丈夫だよ。軽く済むかもよ」

「やっぱり!」

何がやっぱりなのかはわからないけど、僕は朝食を食べに行きたいから降りるか。
と思って降りようとしたら、朔に腕を掴まれた。

「待って!僕を一人にしないで!呪いが来るよぉ〜」

しっかりと掴まれてしまった。
朔は妙な事を信じるもんだ。
そんなのは嘘だと言う事を信じさせるにはどうしたら良いものか。
朔は昔っから呪い人形などを見ると、少し興味があるだけで買ってしまう。
こんな事になるなら最初から買わなきゃ良かったのだ。それを言ってあげなきゃ。

「朔、きっと呪いの神様が、興味半身で買うなって言ってるんだよ。今度から買うのは止めな」

「うんっ…(/_・、)」

朔は肯いた。
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